【蓄電】数千年の実績あり!耐火レンガによるレトロなイノベーション

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レンガの歴史と可能性

レンガというものは古くは4000年前、メソポタミア文明の時代から建築物等に使用されているということです。
その頃は日干しレンガであり、その後窯で焼くタイプ:焼成レンガが発展しました。
レンガは非常に丈夫かつ経年劣化もしづらい物質であり、レンガで作られた建物は何百年もビクともせずに形が残っています。
レンガの中でも、耐火レンガと呼ばれるものは、摂氏1600度もの温度に耐えることができ、かつ蓄熱性能が高いということです。
その性質に着目したマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちは、この古代の技術が再生可能エネルギーの業界にイノベーションをもたらせるのではと思い、研究を進めています。

新しいけど古い技術

再生可能エネルギーに代表される風力発電、太陽光発電の問題点といえば、いつ、どれだけ発電できるかがわからないという点。
そして、その発電の不安定性から、しばしば過剰に発電された電力が有効に活用できない、という悩みがありました。
MITの研究は、そういった余分な電力を熱に変換し、耐火レンガに蓄熱させることで、簡単に電力の保存も可能なのでは?というアイデアから始まっています。
耐火レンガの技術はヒッタイト時代には確立されており、それ以降何千年にも渡って人間社会に馴染んでいます。
Firebrick Resistance-Heat Energy Storage(FIRES)と呼ばれる彼らのシステムは、例えば水力発電システムに比べると、10分の1から40分の1のコストで運用可能とのこと。
一連の流れは以下のとおり、
再生可能エネルギーが電気を産生 → 電気ヒーターが余分な電気を熱に変換 → 熱が大量の耐火レンガに蓄えられる → 必要に応じて熱を使用(熱の直接利用 or 電気に変換) → 発電してない時の電気利用に
Firebricks offer low-cost storage for carbon-free energy
耐火レンガを断熱性のある施設に大量に蓄えれば、長時間にわたってその熱を蓄えることができます。
この熱を、大量の熱エネルギーを使うような工業生産に使用したり、後で電気に戻すことで再生可能エネルギーの無駄が大幅になくせる、ということです。
元ウェスティングハウス電気技術責任者のレジス・マッツィー氏は(この研究には非関与)「電気市場の歪みに対して、FIRESは革新的な解決法を提供する可能性がある。しかし、この方法が本当に経済的であるかどうかを見るためには、おそらくデモンストレーションが必要になるだろう。」と述べています。
次のステップは、実世界で本格的なプロトタイプを構築することであり、論文の著者であるCharles Forsberg氏はによると、2020年ごろを予定しているということです。
彼によると、大規模な風力発電所の近くに、エタノール工場などの多くの熱を使用する施設が出来れば、FIRESが活躍出来るケースの1つになるとのこと。
世界で最も古い耐火レンガによる建物の一つは、現在のトルコに位置する古代ヒッタイト帝国で作られた製鉄窯です。
ヒッタイト帝国といえば、高度な鉄の精錬技術。
彼らは丈夫な鉄を持って周辺国を圧倒し、青銅による文化を鉄文化に書き換えたと言われています。
鉄の精錬のためには高温が必要です。つまり、耐火レンガの発明が間接的に、青銅文化を終わらせ、ヒッタイト帝国を歴史に名を残す偉大な帝国へと押し上げたとも言えます。
過去に歴史を変えた実績のあるこの技術が、数千年経った今、また革命を起こしてくれるのでしょうか?
2020年に実施されるパイロット実験を期待して待ちます。


耐火煉瓦の歴史―セラミックス史の一断面


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