【地球温暖化】北極航路での単独通航初成功
フランスに本拠地を置く多国籍石油会社であるトタルは、LNG運搬のための砕氷タンカーが、欧州から北極海を経由でアジアへ行くルートでの単独航行を成功させたと発表しました。
誰もが知るように、地球は丸いです。
非常に噛み砕いて話すと、地球の裏側へものを運びたいなら、色々な大陸を避けながら移動するより、北極を突っ切ってしまえば効率がいいじゃないか、と言うのが北極航路です。

北極航路の経済効果
欧州からアジアへの輸送であれば、従来は写真の通り、スエズ運河などを通り、長い時間をかけて移動します。
効率改善のために整備された運河には利用料が発生し、その運河の利用料も実は運賃に含まれています。
地球温暖化によって北極の氷はどんどんと溶けています。
氷が溶けるというのは、文字通り溶けきってしまいただの海面になる、ということと、残存する氷塊や流氷が小さく、薄くなり砕きやすくなることを意味します。
砕氷船という船は、その氷を船頭や船尾でバキバキと砕きながら進んでいく船です。
場合によっては砕いたそばからまた凍ってしまい、全く身動きが取れなくなってしまうなどのリスクがあります。
そのため従来であれば、タンカーが航行する際には別の砕氷船が同行します。
しかし、氷が薄くなればそういったリスクが低くなります。
そしてついに今回、砕氷のできるタンカーが単独で航行を成功させたということです。
単独のため航行コストは大幅に安くなります。
そして北極を通らない従来の方法に比べ、航行日数が短くなるのでさらにコストが下がります。
今回は、従来のルートの半分程度航行日数で成功したとのことです。
北極航路はこれまでの物流ルートに革命を起こしうるものです。
しかし一方で、どこの国にも所属しない海を通るこのルートは、今後覇権争いが繰り広げられるとも言われています。
大きな争いに発展しないことを祈ります。
砕氷LNG船、北極海航路の単独航行に初成功 15日でアジア到達