地球温暖化が進むとタンパク質が不足する?

AFP通信によると、二酸化炭素(CO2)排出量が上昇することによって、コメや小麦などの主要穀物に含まれるタンパク質の量が大幅に減少するという論文が、米ハーバード大学の研究チームによって発表されたとのことです。
世界人口の76%は、1日に摂取するタンパク質の大半を植物由来の食べ物に頼っており、特に貧困地域でその傾向が顕著となっています。
もちろん、タンパク質は人体にとって必須の三大栄養素の一つであり、
重要な食物源に含有されるタンパク質が減少することで、タンパク質欠乏症になる恐れがあります。
タンパク質は筋肉や、毛髪、肌の構成物質であり、アミノ酸の化合物でもあり、タンパク質、アミノ酸の不足は免疫機能の低下などを引き起こす可能性があります。
つまり、十分なタンパク質を摂取しないと、発育が妨げられ、病気にかかりやすくなる危険性も高まるかも知れません。
研究チームは「CO2濃度が予測通り上昇し続ければ、コメ、小麦、その他の主要生産物の栄養価が低下し、2050年までに18の国々で食物から摂取するタンパク質の量が5%以上減少する恐れがある」と述べています。
彼らの計算によると、穀物別で見ると、CO2濃度の上昇によって下記のような影響が見込まれるとのことです。
大麦:14.6% 減少
米:7.6% 減少
小麦:7.8% 減少
ジャガイモ:6.4% 減少
(いずれも2050年までに)
世界において、新しいタンパク源の模索は続いていますが、穀物は今後も最も重要な食物の一つであり続けることが見込まれます。
地球温暖化が穀物の栄養素へ影響を与えるという研究は、新しい栄養源の必要性を再認識させるかも知れません。
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