【WWF】 ブロックチェーンを応用したトレーサビリティ

世界中で活動を行っている環境保全団体、世界自然保護基金(WWF)のオーストラリア、ニュージーランド、フィジーの3支部は、合同でブロックチェーン技術を応用した、トレーサビリティの強化を行うことを発表しました。

トレーサビリティ強化の対象とするのは、太平洋中部と西部のマグロ類とのこと。

 

Where does your fish come from?

 

マグロとトレーサビリティ


マグロ類は、種類によっては個体数の減少などが世界中で危惧されており、乱獲や無許可での漁など、違法漁業が警戒されています。

 

また同時に、マグロ漁というのは一般的に非常に過酷な環境であり、奴隷労働や違法労働者の採用などが行われていないかが問題になっています。

 

人道的な側面、そして持続可能性の側面から、マグロ類は注意が必要な魚種であり、流通業者、一般消費者も、そういった違法漁業や奴隷労働で獲られた商品は購入しないことが望まれます。

 

yellow-fin-tuna
Yellow Fin Tuna

 

しかし、問題ない方法でスーパーマーケットなどに並んでいたとしても、それを証明するのに多大な労力が必要なのが、トレーサビリティにおける問題点です。

 

例えば、遠洋でマグロを獲り、漁協を通して卸売業者に買い取られ、食品業者に卸された後、加工工場に届けられ、切り身になった状態でスーパーまで運ばれた、消費者にまで届く、といった一連の流れを想定します。

 

スーパーに並んでいる例えば「○○産 ビンチョウマグロ」。

この○○産という情報は、上に書いたような流通網を通ってきた場合、獲れた場所でしょうか、それとも加工された場所でしょうか。

こういったように、現在公開されている情報というのは、本当に環境に配慮した形なのかを判断するには全然足りない、ということがわかります。

 

これらの情報をあまり気にせずに、人口が増え続ける世界中の人が消費を続けたら、世界中から食用魚はなくなってしまうかもしれません。

 

ブロックチェーン、RFIDタグ、トレーサビリティ


 

では、具体的にトレーサビリティを実現しようと思った時に必要となるのが

  • 漁獲の段階から消費・最終処理の段階までの情報が、ステップバイステップで正確に記録できること
  • その記録された情報が、中間業者及び消費者などによって閲覧可能であること

といった点です。

 

これらを解決する方法として、WWFオーストラリア、ニュージーランド、フィジーが考えたのが、RFID技術と、ブロックチェーンの組合せということです。

 

RFIDというのは、radio frequency identifierの略であり、電磁界や電波などを使用した無線通信による情報のやりとり技術のことを呼びます。

 

RFIDタグという、小型のICタグを組み込んだものを使用することで、情報の記録や読み取りが可能であり、トレーサビリティの観点で利用する場合のイメージとしては、チップを内蔵したバーコードやQRコードのようなものです。

 

バーコードやQRコード等との大きな違いは、タグに登録されたIDに対して情報を記録していくことが可能であり、記録できる情報量も多いことなどが挙げられます。

 

そのため、一つ一つの流通段階で、同じタグに紐づいたIDに対して情報をどんどんと追記していくことが出来、一貫性を持った情報が記録されるようになります。

これによって、消費者が購入した商品に紐づいたIDを検索すれば、どういった流通経路で食卓まで届いたのかが確認出来るようになるのです。

 

(なお、RFID技術は、サプライチェーンにおける現場の情報をタイムリーに取得する技術として、IoT(Internet of Things)への利用も期待されています。)

 

ここで新たな懸念として出てくるのが、そのIDに紐づいた情報の管理です。

 

データベースに大量の情報が保存され、その情報がIDで簡単に参照可能だったとしても、その情報が改変されてしまっては本も子もありません。

そういった点がしっかりしていなかったら、未来の産地偽装はデータベースへのハッキングが原因!なんていうことになりかねません。

 

そこで出てくるのが、ブロックチェーン。

 

ビットコイン等の仮想通貨・暗号通貨で一躍注目を浴びたブロックチェーン技術ですが、その根本にあるのは、情報の分散管理による信頼性の高さです。

 

RFID技術を使って、水産・漁業におけるサプライチェーンの情報を取得できるようにして、IoTを促進。

そして、そういった手法で取得された情報はブロックチェーン技術で保存・管理。

 

日本においては技術革新が遅れがちな水産業ですが、このプロジェクトは最新技術の目白押しです。

 

今回WWFは、ブロックチェーン技術提供社のConsenSys、ICTソリューション提供TraSeable、マグロ生産加工会社Sea Quest Fijiと協力し、「Blockchain Supply Chain Traceability Project」というプロジェクトを立ち上げました。

wwf panda
WWF 公式HPより

トレーサビリティというのも、ただ、安全安心のためだけのものではありません。

 

信頼性が増す、ということは、ブランド価値の上昇や、企業間のコラボレーションの促進等、多くのプラスがあります。

 

最新技術を、漁業という予測不可能な事象が多く発生する現場でうまく適用させることは出来るのか。

そしてゆくゆくは、そこから社会をよくするような付加価値を生み出せるか。

 

とても興味深いプロジェクトです。

 

New Blockchain Project has Potential to Revolutionise Seafood Industry

 


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