世界の廃棄物処理業界における2018年のトレンド6つ

社会の縁の下の力持ち廃棄物業界


廃棄物業界は我々一般市民の生活を縁の下で支えてくれている大事な業界です。

時には、有害物質などの産業廃棄物と呼ばれるものを適切に処理して、地面や空気や水が汚染されるのを防いでくれます。

時には、都市鉱山と呼ばれる大量の捨てられた機械から、希少金属の回収を行い、価値の高い資源を有効利用してくれます。

時には、一般人では使い道の思いつかないようなものを適切に分配し、廃棄物ゼロの社会作りを手伝ってくれます。

人口が増え続け、大量生産大量消費が続く今の世界。
どんどんと石油を掘り、金属を掘り、化学繊維や機械を生産しても、
彼らがいなかったらこの地球はあっという間に汚染されパンクしてしまいます。

 

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廃棄物 イメージ

そんな廃棄物処理業界ですが、世界の規制の状況や、使用される素材も考慮し、2018年に広がるのではないかと言われている6つのトレンドを紹介します。

6つのトレンド


1. 中国で廃棄物輸入に関連する汚染基準が適用されるようになる


中国において、0.5% という汚染の基準が設定され、24の物質について適用されることが決まっています。
これにより中国では、リサイクルにも使えるような「外国のごみ」を輸入することが難しくなり、中国国内も、中国に輸出している国のいずれも多大な影響を受けるとされています。
規制対象になる物質には、製鉄の際に出る鉱滓や、多様な羊毛、灰、綿、毛糸などが含まれる予定です。
この規制は中華人民共和国環境保護部がWTO(世界貿易機関)と締結した内容に基づいたもの。

 

中国がWTOに提出した文書で
「原材料となり得る固定廃棄物のなかに汚染物質や危険物質が大量に混入しているのが見つかった。これらは、中国の環境を深刻に汚染した」と述べています。
そのうえで「中国の環境上の利益と人民の健康を守るため、固定廃棄物の輸入リストを緊急に調整するとともに、汚染度の高い固定廃棄物の輸入を禁止する」としています。

 

中国は廃物輸入大国で、昨年輸入した廃プラスチックは730万トン(37億ドル相当)と、世界全体の56%を占めています。
国際貿易センター(ITC)のデータによると、香港を除く最大の輸入元は日本と米国で、それぞれ全体の約10%とのこと。

 

参考: ロイター:中国、年内に「ゴミ」輸入停止へ WTOに通告

 

2. アメリカ国内での、フランチャイズ廃棄物業者の広がり


廃棄物業者・リサイクル業者の多くは地元密着型出あったり、依頼主と引き受け先企業でコネクションがあったりします。
そういった、小規模に廃棄物処理を営んでいる企業にとって、「フランチャイズ」という言葉は非常に恐ろしいものです。

今まで安定的に行えていた業務が、巨大企業の資本力と効率化された手法によって一気に崩される恐れがあるからです。

廃棄物業界におけるフランチャイズ化は今後進んで行くだろうと考えられています。

 

3. テクノロジーの応用の広がり


世界最大級の廃棄物処理会社であり、ニューヨーク証券取引所にも上場している「ウェイスト・マネジメント」社。
売り上げは年間136億ドル(約1.5兆円)にものぼる巨大企業です。
そんなウェイスト・マネジメント社は、2017年にチーフテクノロジーオフィサー (CTO)を採用しました。

それ以降、廃棄物処理業界でテクノロジーの応用が急激に進んでおり、ゴミ収集業務のデータを集めて業務を効率化したり、ゴミ埋め立て方法の技術革新などといった話が見られています。
この傾向が今後も続き、AIの使用による効率化や、電気自動車の導入による省エネ化、オートメーションなどによる業務効率化・安定化が進むと見込まれています。

 

4. 「廃棄物ゼロ」の定義についての議論


アメリカの話にはなりますが、多くの州や街では、それぞれ別の「廃棄物ゼロ」の基準を持っています。
ある程度のサイズの物質として無くなることを目標とするのか、燃焼時の有害物質の排出もなくすのか、他の場所に販売することは「廃棄物がなくなった」ことを意味するのか、肥料として使う場合はどうか などなど
考えるべきポイントが多いのです。

共通の定義はそうそう出来上がらないかもしれませんが、より良い循環型社会を作るためにも、これらの問題に関する議論はまだ続きそうです。

 

5. アメリカにおける税制改革に伴う業界再編


トランプ大統領の主要公約であった法人税の引き下げ。

先日、それを含んだ税制改革法案の最終案が賛成多数で再可決され、正式に法人税の引き下げの見通しがたちました。

法人税を引き下げるということは、企業にこれまでよりも多くのキャッシュが残ることを意味します。

廃棄物処理業社業界では、近年 企業買収などによる業界再編が進んでいます。

そのため、法人税が引き下げれることでお金に余裕が出てきた場合、その動きが加速するのではないかという目測が立っています。

特に、地方の中小規模の業者はいつでも格好のターゲット。
引き下げられた法人税によって手元に残ったお金で、企業が何を行うのかが注目です。

 

6. アメリカ合衆国環境保護庁の影響


アメリカ合衆国環境保護庁の長官であるスコット・プルーイット氏は、オバマ政権が火力発電所からの温室効果ガスの排出を制限したクリーン・パワー・プランが撤廃されると表明したりと、
オバマ時代と比べたら環境保護庁にも大きな変化が訪れそうです。

環境保護庁は、すでにアメリカ各州に対して、排出計画の提出を求めたり、埋立地に関する規制を再検討していることを通達しており、その内容次第によっては、業界にも大きな影響が及ぶことも考えられます。

 

以上、6つのトレンド予測でした。

特に中国での、再利用などを目的とした廃棄物の輸入規制は非常に大きなインパクトがあると言われています。
プラスになりそうなもの、マイナスになりそうなものがそれぞれありますが、最終的により良い循環型社会が出来るようにいくことが望まれます。

 

6 waste industry trends to watch in 2018

 

 

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