アイスランド新政府 2040年までのカーボンニュートラル化を公約

近年のアイスランドの不安定な政治状況


 

自然が溢れ、氷河やオーロラの楽しめる国 アイスランドは、2008年にアイスランド危機と呼ばれる深刻な金融危機を経験しました。

 

それ以降、国家破綻の危機にまで陥りましたが、通貨安などを背景に観光業などを促進し、劇的に経済状況を立て直してきました。

ただ、ここ最近政治状況が不安定になっており、この2年ですでに首相は4人目です。

 

 

過去4人の首相と簡単な紹介は以下の通り。

 

シグムンドゥル・ダヴィード・グンラウグソン 1975年3月12日生まれ
2013年4月 元ジャーナリスト、ラジオパーソナリティの彼は史上最年少の38歳で首相に就任。
しかし、2016年4月、パナマの法律事務所から流出したパナマ文書の内容が報じられたことで、租税回避地の法人を購入して巨額の投資を行っていたことが露見して辞任を表明した。
2013年5月23日 就任 2016年4月7日 辞任

Sigmundur_Davíð_Gunnlaugsson_2016
Sigmundur_Davíð_Gunnlaugsson

引用:シグムンドゥル・ダヴィード・グンラウグソン

 

シーグルズル・インギ・ヨハンソン 1962年4月20日生まれ
元漁業農務大臣、元環境・天然資源大臣。
シグムンドゥル・ダーヴィド・グンロイグソン首相がいわゆる「パナマ文書」問題を受けて辞任すると、後任の首相に就任。
しかし、その後の選挙で所属する進歩党の議席数を伸ばせず、首相を辞任。
2016年4月7日 就任  2017年1月11日 辞任

Sigurður_Ingi_Jóhannsson
Sigurður_Ingi_Jóhannsson

引用:シーグルズル・インギ・ヨハンソン

 

ビャルニ・ベネディクトソン 1970年1月26日生まれ
2016年の選挙において、彼の所属する独立党が議席数を伸ばしたことを受けて、2017年1月、独立党、改革党、明るい未来による連立政権が結成され、新首相に就任。
しかし彼の父親が、有罪判決を受けた小児性愛の元受刑者の名誉回復を求める推薦状に署名していたことが判明し、同年9月16日に退陣を表明。
2017年1月11日 就任  2017年11月30日 退陣

Bjarni_Benediktsson
Bjarni_Benediktsson

引用:ビャルニ・ベネディクトソン

 

 

カトリーン・ヤコブスドッティル  1976年2月1日生まれ
元教育・科学・文化大臣。
アイスランドの環境政党であるグリーンレフトの党首。
グリーンレフトは2017年10月の総選挙において、11議席を獲得し、単独第2党になりました。
その後の連立協議を経て、11月30日に首相に就任。
2017年11月30日 就任 現職

Katrin_Jakobsdottir
Katrin_Jakobsdottir

引用:カトリーン・ヤコブスドッティル

 

2017年11月末に就任したカトリーン氏が率いる現在の政権ですが、2040年までにアイスランドという国をカーボンニュートラル(二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を削減・吸収し、トータルで見た収支をゼロ以下にすること)にすると公約を掲げました。

 

新首相のグリーンで協調的な政策


新首相のカトリーン氏は、環境政党のグリーンレフトの党首。
グリーンレフト の政策は例えば下記のようなものがあるとのこと。

外交

  • NATOからの脱退
  • EU加盟に反対
  • アメリカのアフガニスタン侵攻に反対
  • イラク戦争に反対
  • パレスチナ問題ではイスラエルに反対し、パレスチナ解放機構(PLO)を支持

内政

  • 環境の保護
  • 平等と社会正義
  • 公正で繁栄している経済

 

ニューヨークタイムズと、アイスランド大学の政治学者であるエヴァ氏によると、今回の連立政権には右派、左派両方が含まれていることもあり、彼女は政党の架け橋になり、政治をまとめ上げることを期待されているとのこと。

 

しかし一方で、環境関連の政策は着々と進んでおり、環境大臣にも、アイスランド最大の環境保護NGOであるLandvernd(ランドバーンド) のCEOであるグズムンドゥール氏(Guðmundur Ingi Guðbrandsson)が起用されています。

 

アイスランド自体は、地球温暖化によって農作物の収穫が増えるなど、実は恩恵を受けていると言われてます。
例えばその農作物を家畜に与えて得られたミルクを加工し、環境資源として利用することで、観光業と自然、農業・畜産業のコンビネーションがうまく回っているのです。

2017年は国の人口のおよそ6倍にもなる、220万人の観光客がアイスランドを訪れ、その自然などを楽しみました。

2008年の経済危機以降、観光業はアイスランドの経済を支える上で必須のものになっています。

にも関わらず、アイスランドの人たちは、環境保護に向けた政策を選択しました。

 

iceland
アイスランドの美しい風景

 

具体的な施策としては、電気自動車向けのインフラを整備し、植樹を増やし、公共設備へ供給される電気を全て再生可能エネルギーにすることなどが含まれます。

 

目先の利益を考えたら、地球温暖化が進んだ方が得をするかもしれない状況で、自国の大切な資源と地球全体を見通した環境保護政策を掲げたアイスランド。

 

人口の少ない国だからこそ大胆な転換ができたとも言えるかもしれませんが、この政策が上手くいくかどうかは、国家単位でのカーボンニュートラルかが可能なのかどうかの試金石になるかもしれません。

大国であろうと、学ぶべきものは多そうです。

 

Climate Change Is a Boon to Tourism in Iceland

Iceland elects 41-year-old environmentalist as prime minister

 

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