イスラエル 経済成長と人口増加に伴うごみ問題

ゴミ問題は世界の問題


我々は、日々生活をしていく中でゴミを生み出しています。

そしてゴミ処理というのは社会が発展していく中でも取り扱いが後手に回りやすい問題であり、
発展途上国、先進国に限らず、世界中どこかしらに処理しそびれてしまったゴミの山が出来上がってしまっています。

ここ数十年の人口の大幅増加や、大量生産・大量消費社会の浸透により、ゴミの量もどんどん増えていっています。

ゴミ山というのは臭い、汚い、というのはもちろんですが、実は非常に危険な場所でもあります。

 

木材や生ゴミなどの有機物があると、それらが分解される時にメタンガスが発生します。
また、分解というのは化学反応の結果であり、熱が発生することが多々あります。

 

分解によって発生する熱というのは意外と高温になり、ゴミ山ではしばしばモクモクと煙が立ち上がる姿も見られています。
そういった熱がこもった状態から何かの拍子でメタンガスに引火することで、火災が起きるなんてこともあるのです。

 

以上から分かるように、ゴミ山は放って置いて良い環境ではなく、ゴミ問題は重大な社会問題の一つです。

(パキスタンではごみ処理場からプラスチックを分解するように進化した菌が発見された例も報告されており、如何にごみ問題が特殊な環境を生み出しているのかを物語っているとも言えます)

関連記事:プラスチックを分解する菌 パキスタンのゴミ捨て場から発見

 

イスラエル テルアビブのゴミ山


 

中東の注目の的、イスラエルはすでに何十年もの間、ほぼ毎年2~7%程度の経済成長を続けており、人口も1980年の392万人から2017年では871万人と急激に増加しています。

 

israel economic growth
イスラエルの経済成長率 推移 世界経済のネタ帳 より

 

israel population growth
イスラエルの人口 推移 世界経済のネタ帳 より

 

つまりそれだけゴミが発生しているということを意味しており、もちろん元々存在したインフラだけでは対処しきれません。

その結果、イスラエルの経済拠点として有名なテルアビブのすぐ近くには、まさに「ゴミの山」と呼ぶべきゴミの堆積所が出来上がってしまいました。

 

そのゴミ山は、長さ0.5マイル (およそ800m)   高さ87ヤード(80m)に渡り、その匂いは何百メートル先までも匂っていました。

しかし、そんなゴミ山をイスラエル政府も流石に放置はできず、1998年にゴミ山を再利用するためのアイデアが募集されました。

 

ゴミ山の処分方法


 

その結果、建築家のPeter Latz (ピーター・ラッツ)率いるチームがコンペで勝利し、今ではかつてゴミ山だった場所は Ariel Sharon Park (アリエルシャロンパーク)と呼ばれ、緑に囲まれた公園になっています。

 

アイデアの募集当初、この区域の土壌に対するダメージは再生不可能なのではないか?と思われていて、ゴミから発生するメタンガスなどの処理方法も、何か革新的な方法が必要だと言われていました。

 

仮に埋め立てを行なったとしても、メタンガスは気体ですから土の隙間をぬって地上に湧き上がってきます。

地面から可燃性のガスが湧き上がってくるような土地では、公園どころか何の使い道もありません。

そしてそれらのガスが発生している状態では、埋め立てを行なった場所には植物は根ざしません。

 

そこで、ピーター・ラッツ率いるチームは、その問題に対処するため、メタンガスを逃さない方法と、そもそもゴミ自体を減らす方法をとりました。

 

まずは、メタンガスが漏れない形で埋め立てを行うために、バイオプラスチックを使用しました。

バイオプラスチックは植物由来の成分から生成されたプラスチックであり、生分解性 つまり自然の中で徐々に分解されていく性質を持っています。

 

そのバイオプラスチックで、まずは埋立地の上に層を作り、その上に砂利や綺麗な土を盛ることで、植物が新たな生態系を育むことが出来、人間にも害を与えないような環境を作りました。

 

次にゴミを減らす方法。

ゴミを減らそうとは言っても、人口は増え続け、経済は発展し続け、それに伴ってゴミは増え続けます。

元々ゴミ山だったところがアリエルシャロンパークになったとしても、別の場所にゴミが運ばれるようになったのでは何の意味もありません。

 

そのため、今ではヒリヤリサイクリングパークというリサイクル工場が併設され、こちらに届いたゴミは全てそこで処理が施されるようになりました。

 

まだ使える木材などであれば公園内の建築物などにリサイクルされ、コンクリートなどの建築物から出るゴミであれば砕いて砂利などにリサイクルされます。

hiriya ladnfill park
リサイクルされた建築物

 

そして、有機ゴミに関しては、細かい状態に粉砕され、UASB法と呼ばれる手段でバイオガスの生成に使われます。

UASB法は「上向流嫌気性スラッジブランケット」と呼ばれ、空気がなくても生きていける微生物の力を借りた技術です。

hiriya
リサイクルプロセス

 

今では、ヒリヤリサイクリングパークは自社工場で生成したバイオガスを使って発電を行い、公園内の電気を全て賄った上で販売まで行っているということです。

ゴミも使いようによっては新たな価値を生み出せることを証明した例でした。

 

The Hiriya Landfill, Tel Aviv, IL

ヒリヤリサイクリングパーク

 

 


ごみ処理場・リサイクルセンターで働く人たち (しごと場見学!)

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