太陽光発電に新たなメリット ミネラルウォーター
太陽光発電のメリットとデメリット
太陽光発電のメリットと言ったら、一般的には二酸化炭素を排出しないことや、政府から補助金が出ることなんかが挙げられると思います。
他にも、一般家庭の屋根に設置出来れば、光熱費の節約ができますし、何か災害が起きた時にも自前で発電出来れば安心です。
最近は、太陽光発電の性能も上がってきていますし、イギリスでは大手家具やのIKEAが格安で太陽光発電を家に設置するサービスを開始しています。
そのためコストも今後どんどん下がっていき、広く使用されることが見込まれます。
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一方で、デメリットとして挙げられるのは、
初期投資が高いことや、複雑な電気設備を導入しなければならないこと、電気の買い取り価格が段々と下がっていることなどがあります。
そんな太陽光発電のデメリットを減らし、新たなメリットを提供するアイデアが、アメリカのスタートアップ企業から提案されました。
太陽光発電に新たなメリットを
アメリカのスタートアップ企業、ZERO MASS WATER社の特色は「太陽光発電でミネラルウォーターを作る」という点。
彼らの作る、太陽光パネル”SOURCE”は、太陽光を受けることで発電し、その電力を使用して即座に空気中の水分から水を抽出。
それらの水をフィルターとミネラルウォーターカートリッジを通すことで、すぐにでも飲める高品質なミネラルウォーターを自宅で作るように出来るとのこと。

自宅の屋根で光を浴びているだけでミネラルウォーターを得られるというだけでもすごいことですが、彼らのメリットはそれに限りません。
まず、自宅でミネラルウォーターが得られるということは何か災害があったとしても常に綺麗な水が飲めるようになります。
太陽光で発電し、太陽光で水も得られれば、何かあったとしても安心です。
また、新たな発電方法やエネルギー源が考案され、価格が下がる見込みもある電気ですが、ミネラルウォーターは安くありません。
ミネラルウォーターが作れる、というのは日常的にミネラルウォーターを飲んでいる家庭にとっては非常に大きな節約になるでしょう。
そして、彼らの装置は既存の電気設備との接続も必須ではありません。
ただ屋根や屋上に設置することで、毎日ポリタンクにミネラルウォーターが溜まっていくため、一般的な太陽光発電設備よりも導入は簡単でしょう。

気になる点
こういった新技術、もちろん気になるのは値段と効率です。
まずは効率ですが、仮に太陽光パネルを2枚設置した場合、平均で毎日4~10リットルのミネラルウォーターの精製することが可能とのこと。
精製された水を、数々の国のガイドラインでテストしたところ、設定された不純物の基準はいずれもパス。
とても質の高いミネラルウォーターが飲めるようです。
乾燥したところでは効率が下がるのでは?という疑問がもちろん出るかと思います。
(世界的に見ても湿度の高い日本ではあまり心配ごとではありませんが、)湿度が低い環境でも十分な量の水が精製できるという結果も出ています。
例えば、湿度5%という非常に乾燥したエリアでも、1日4リットルの水が確保出来ています。
綺麗で安心な水を使いたい、お子さんのいる家庭や、学校、
重たいミネラルウォーター買うのが大変な、高齢者の方がいる家庭なんかでも非常に大きな助けになるでしょう。
そして値段ですが、パネル2枚の場合、$4,000 (約45万円)程度の設備投資がかかり、設置費用に$500 (約5.6万円)程度かかるようです。
一度導入するとおよそ10年程度は使える見込みとのことで、日割りで$1.2 (130円)、1リットルあたり$0.12~$0.30 (40円以下)になります。
そのほかには、年に一回のフィルターの変更と、ミネラルウォーターカートリッジの変更が5年に一回程度必要のようですが、そこまで高価格にはならなさそうです。
太陽光発電で発電したエネルギーで即座にミネラルウォーターを作ってしまうというアイデア。
太陽光の使い道を発電に限らないことで、自分の家だけで常に綺麗な水と安価な電気が得られるという、新たなメリットを得られるかもしれません。
This solar hydropanel can pull 10 liters of drinking water per day out of the air