海の生き物はなぜプラスチックを食べてしまうのか?

海の生き物はなぜプラスチックを食べてしまうのか?

 

プラスチックは環境に悪いです。

海に流れ出すとウミガメや海鳥が餌と間違えて食べてしまうことが広く知られています。

海を漂うゴミは何年も残り続け、場合によっては超微細なマイクロプラスチックという形で蓄積していくこともあります。

そんなプラスチックですが、ウミガメや海鳥だけに限らず、魚やサンゴも餌と間違えて食べてしまうことが報告されています。

では、なぜそんなことが起きてしまうのか?

それに関し、サンゴや魚はプラスチックを誤って食べているのではなく、

通常の餌もある環境でも、わざわざプラスチックを選びとって食べている、

という研究結果が発表されました。

サンゴはプラスチックを好んで食べている

 

サンゴがプラスチックを選んで食べている、という衝撃的な事実は、砂のようなサイズのマイクロプラスチックと砂を同時に与え、サンゴがどちらを取り込んだかを検証することで発覚しました。

実験の際に使用されたプラスチックは、ポリスチレン、ポリビニルクロリド等々、複数に渡ります。

しかし、サンゴがプラスチックを好んで食べていても、9割以上のサンゴはプラスチックを食べて24時間以内に、食べ物ではないことを認識して吐き出していました。

サンゴがどうやってプラスチックは食べ物ではないということを認識しているかはわかりませんが、

大半のサンゴはプラスチックを体内に蓄積したりはしなさそうです。

サンゴには目がありません。

代わりに彼らは化学物質を探知するセンサーを使って食べ物の判別をしているのです。

プラスチックの何かがサンゴの化学物質のセンサーで感知されており、その結果プラスチックを好んで食べているのでは?という仮説の検証のため、

研究者はプラスチックを微生物のフィルターで覆ったもので類似した実験を行いました。

すると、微生物のフィルターで覆われたプラスチックが取り込まれる数は、何も処理を施していないプラスチックの場合よりも五分の一程度にまで下がったとのこと。

現時点での研究では、プラスチックに付着したり含まれている無数の添加物の何かしらが、サンゴのセンサーに引っかかっている、ということは予測が立っています。

いずれにせよ、サンゴにとって何の栄養にもならないプラスチックを食べてしまうと、少なくとも栄養を取り込む効率は悪化します。

海洋の酸性化や水温の上昇など、苦難にさらされているサンゴですが、微細な破片となったプラスチックも、彼らの生態に影響を与えているようです。

 

魚もプラスチックを好んで食べている

 

魚も実はプラスチックを食べています。

それらはもちろん消化も分解もされません。

魚たちは、プラスチックを摂取してしまうことにより、集団を作る行動が鈍ったり、肝機能が低下することがわかっています。

また、魚を含んだ食物連鎖の中からプラスチックの生物濃縮が発生し、蓄積されたプラスチックは人間の口の中にも届きます。

ゲント大学の研究によると、貝を食べる平均的なベルギー人は毎年11,000個のマイクロプラスチックを摂取しています。また他の研究では、サンフランシスコ魚市場で魚の1/4から合成衣料繊維が検出されたと言います。

 

なぜ魚はプラスチックを食べるのか?

では、なぜ魚はプラスチックを食べるのか?

もちろん、全魚種に対して統一して実験が行われたわけではありません。

しかし、欧州で生態系の重要な地位を締めることで知られているカタクチイワシで検証が行われています。

研究の結果、プラスチックの匂いが、カタクチイワシの勘違いを呼び起こしているかもしれない、ということがわかりました。

餌の匂いを感じ取ると、魚は餌を探し出そうと活発に動き始めます。

カタクチイワシの集団が入れられた水槽に、オキアミの匂いをつけた水を入れたところ、餌を探し回るような行動の変化が観察されました。

なんでもないただの水を入れても、行動に変化は現れません。

しかし、プラスチックの匂いをつけた水を入れたところ、なんとカタクチイワシ達は餌の匂いがついた水の時と似たような行動を示したということです。

もちろん視覚的にもプラスチックは紛らわしく、餌と見分けるのが難しいものも多くあるでしょう。

ただ、餌の匂いがして、かつ近くに見た目も餌に似ているものが浮いていたら、魚達はそれがプラスチックであろうと食いついてしまうでしょう。

 

まとめ

 

人間にとっては、プラスチックの匂いが食欲をそそるということは無いかもしれません。

しかし、サンゴや魚にとっては餌に似てると思えるようです。

海に流れ着いてしまうプラスチックの量を減らすの非常に重要ですが、

こういった形で、「どういったメカニズムで海の生き物に影響が及ぶのか」を詳しく理解できれば、新たな対策が練られるかもしれませんね。

 

Coral thinks plastic is delicious

 

Fish eat plastic — and they like it, too

 


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