VW 電気自動車でパイクスピーク・ヒルクライムに参加を表明
今、世界では急速に石油を使用した自動車が見切りをつけられ、電気自動車に注目が集まっています。
そして、注目が集まるということは、そこに注がれた最新技術と技術者の熱意が陽の目をみるということを意味します。
2016年度の世界での売上高が2,170億ユーロ、およそ29兆円にも登り、販売台数は年間1000万台超という世界に名だたるドイツの自動車会社、フォルクスワーゲンが電気自動車でレース用カーを開発することを発表しました。
フォルクスワーゲン公式HPより
高山を一気に駆け上る過酷なレース
出場予定のレースは、2018年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム。
別名「雲へ向かうレース(The Race to the Clouds)」として知られる、高山の中で行われるレースです。
パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは、標高2,862m地点をスタート地点とし、頂上までの標高差1,439mを一気に駆け上がるレースです。距離は19.99kmと短いですが、平均勾配7%に加え、数多くのコーナーがあり、とてもチャレンジングなコースとなっています。
フォルクスワーゲンの取締役であり開発責任者である、フランク・ウェルシュ氏は、「これは非常に大きなチャレンジであり、それゆえに、これからの技術を証明するのにとても適している。」とコメントしています。
フォルクスワーゲンがこのレースに参加するのは、実に31年ぶり。
往年のレースファンからしたらビッグニュースかもしれません。
またフランク・ウェルシュ氏は、このレースから得られる知見は、フォルクスワーゲンブランドで販売される電気自動車に組み込まれるであろうとも述べています。
(その対象には、フォルクスワーゲンを象徴するアイコンの一つとも言える、あの可愛らしいマイクロバスのデザインを使用した電気自動車も含まれます。)

フォルクスワーゲンの目標
フォルクスワーゲンは、2018年の大会内で、過去の記録を打ち破ることを目標にしたとのことで、少なくとも現時点の記録 2016年にe0 PP100 によって打ち立てられた 8分57秒118(改造車部門)、テスラ モデルSによる11分48秒264を打倒することが必要になります。
高山におけるレースでは、空気が薄くなりエンジンの燃焼効率が下がると言われています。
そのため、高山レースではものを燃やすプロセスが存在しない電気自動車が有利だということのようです。
また、このレースは、スタート地点とゴール地点の標高の違いなどから、天候や気圧、温度の急激な変化に耐えられる車でなければいけません。
大衆車を生産するフォルクスワーゲンにとっては、そういった極端な環境下でも高い性能を保てるという技術は、ものすごい価値があるということでしょう。
VW is building an electric racecar to try and break a record
フォルクスワーゲン バス レッド ウィンドウボックス 200-525