【宗教と気候変動】カトリック 化石燃料からの撤退を強く推奨

キリスト教の宗派で有名な分類といえばカトリックとプロテスタントが挙げられるかと思います。
カトリック教会は、ローマに本拠地をおき、ローマ教皇を中心として世界12億人の信徒で構成される世界最大のキリスト教派です。
そのカトリック教会ですが、近年 ローマ教皇フランシスコを筆頭に、気候変動、地球温暖化などへの高い関心が知られています。
関連記事:ローマ教皇と気候変動
アメリカ、トランプ大統領、カトリック教会、ローマ教皇フランシスコ
トランプ大統領就任以降、アメリカは気候変動、地球温暖化に対してあまり積極的とはいえず、ローマ教皇フランシスコからもトランプ大統領に対して再三考えを改めるようにメッセージが送られています。
しかし、あまり表だった方針変更は行われておらず、トランプ大統領とローマ教皇フランシスコは意見に食い違いがある状態です。
アメリカでは、カトリック教徒だと申告している国民が約6,950万人ほどおり、割合としては全アメリカ人の約22%にものぼります。
カトリック教徒がトランプ大統領を支持するかどうかは、政治等へ多大な影響が及びうるのです。
アッシジのフランチェスコ
キリスト教においては、偉大な功績を残して聖人として認められている修道士などがいます。
その中でも、1182年から1226年に存命していたアッシジのフランチェスコ(本名 ジョヴァンニ・ディ・ピエトロ・ディ・ベルナルドーネ)と呼ばれる聖人は、自然や生き物に対しての愛の深さを表すエピソードが多く知られています。
そういった面を考慮し、2005年に教皇を退位したヨハネ・パウロ2世は、1980年に聖フランチェスコを「自然環境保護の聖人」に指定しました。
ゆえに、アッシジのフランチェスコは、カトリック教徒の間では生態系保護や環境保全の象徴的な存在として知られています。
(なお、イタリアの中央あたりに位置するアッシジの街中にある、フランチェスコに関連する宗教的な建造物は、その宗教的な重要性などから、世界遺産に指定されています。)
そんなアッシジのフランチェスコの命日である10月3日に、カトリック教会主催で式典が開催されました。
化石燃料から撤退するカトリック教会
アッシジのフランチェスコの命日を祝う式典の中で、ローマ カトリック教会は、気候変動、地球温暖化を考慮して新しい声明を発表しました。
それは、総勢40以上のカトリック教会系団体により、化石燃料への投資を引き上げるというもの。
イギリス ガーディアン紙によると、その声明によってどの程度の金額的影響が起きるかは発表されていないが、すでに数々の投資家達によって先導されている、5.5兆ドル(約620兆円)にも及ぶ投資撤退の動きに加わる形になるとのことです。
膨大な金額の投資マネーの移動。
そして12億人にもおよぶカトリック信徒達の信仰。
これらが世界に与える影響が小さくないことは容易に想像がつきます。
Catholic church to make record divestment from fossil fuels