【種の保存】シードバンクの役割を果たす植物園
種の保存と植物園の関係性
ケンブリッジ大学の研究チームが、植物園による種の保存への貢献を調査しました。
その結果、世界中の植物園で保存・管理されている植物だけでも、世界で知られている植物全体の内の1/3をカバーし、特に絶滅の危機に瀕している種を多く含んでいる、ということがわかりました。
絶滅の危機がある種に限った場合、植物園は41%の植物をカバーしており、種の保存に対する貢献度は非常に高い結果になりました。
分類学上、生物は界、門、科、属、種の順番に細かく区分されていきます。
植物園は、世界中で知られている植物属の2/3をカバーし、9割以上の科を含んでいるということです。
ですが、植物園で保管されている植物種のバランスは少々偏りがあり、
熱帯(アマゾンや東南アジアなど)の方が植物の種類が圧倒的に豊富なのにも関わらず、温帯(欧州や日本、北アメリカなど)植物の割合の方が高いということ。
具体的には、植物園の保有する植物のうち、60%は温帯植物、25%は熱帯植物とのことです。
BBCの指摘によると、原因は植物園の立地。
種の保存と植物園の立地
世界中にある植物園のうちの多くは温帯にあるのです。
そのため、熱帯の植物を温帯の植物園で保存したり成長させるのが難しく、結果的に数も少なくなってしまうのです。
歴史的に見ると、植物園が常に自然に対して良い面ばかりだったわけではありません。
イギリスの最も有名な植物園であるキューガーデンは、植民地政策を推進している時代に建てられ、世界中の植物を集め、品種改良などを行うことを目的の一つとしてしていました。
しかし、その結果植物に付着するような虫や植物自体がキューガーデンの外に流出して、外来種として生態系を変えたりした過去があります。
ただ、今回の研究の結果、植物園が世界の植物の多様性保持に貢献していることは証明されました。
多様性に貢献し、目で見てもとても楽しい植物園。
行く機会があるときは、ぜひ彼らの貢献を思い出してください。
Botanic gardens could save the world’s endangered plants — and perhaps us