今後もロンドンでUber は使えるのか?

今後もロンドンでUber は使えるのか?

2018/05/30 更新

2018/06/27 更新

今や破壊的なイノベーションで世界を駆け回っている配車アプリ Uber。

 

UberやAirbnbなど、消費者同士を繋げるビジネスモデルは CtoCやPtoPと呼び、

アプリ企業は、あくまでも消費者同士が繋がることのできる場を提供するというスタンスの場合が多いです。

例えばUberが、あくまでも場を提供しているだけ、とは言っても、もちろんやっていることはほぼハイヤー業です。

そのため、市なり国から(例えばハイヤー業者の)営業免許・許可を交付される必要があります。

 

しかし先日、イギリスのロンドン交通局はUber に対して今後、営業免許の更新を行わないことを発表しました。

ロンドン交通局の発表によると、ロンドンでのUberの営業許可は、2017年9月30日で失効するとのこと。

結論から言うと、Uber は少なくとも短期的にはまだまだロンドンでの営業が可能です。

旅行や仕事でイギリスに行く方の中には、ロンドンでUberを使いたいという人は少なくないと思います。

まだしばらくの間は問題なくUberを使えるようです。

Licensing decision on Uber London Limited

Uber を追い出した街の行き先

 

Uber の営業免許を取り消した街は、何もロンドンが初めてではありません。

Uberの生まれた国、アメリカのテキサス州 オースティンでは2016年に一度 Uberと競合アプリのLyftが街を去っています。

その時の原因は、オースティンから提示されたドライバーの登録プロセス等の要望に対してUber、Lyft側が従わなかったため。

ドライバーの登録時に指紋認証などのプロセスを必須にしてセキュリティを向上させることと、UberやLyft側が持っているデータをオースティンに対して提供するように要請されたのでした。

 

ドライバーを増やすことは彼ら配車アプリからしたら最重要事項の一つ。

指紋認証などの複雑な手順を追加することで、制限がかかってしまうのを嫌った彼らは、オースティンの街を去りました。

しかし、オースティンもしたたかなものであり、彼ら配車アプリが街を去ってからほんの数週間から数ヶ月後には、オースティンオリジナルの配車アプリが作成されました。

UberやLyftよりも手数料も安く、安全安心をうたってサービスをスタートし、まずまずの走り出しでした。

 

ですが、UberとLyftはもっと大きな単位での対策を講じていました。

テキサス州が、州全体に有効となるルールとして、「ライドシェアにおいて、指紋認証の確認はこだわらない」と発表したのです。

テキサス州の発表には、もちろんUber、Lyftからのロビー活動が関わっています。

これにより、彼ら配車アプリ会社は、オースティンでの営業を再開し、あっという間に評判を取り戻しました。

オースティンの地元用アプリに対して、UberやLyftはプロモーション活動やクーポンをうまく活用します。

それに加えて、旅行者や出張者たちが、空港に着いた瞬間にいつも使っているアプリをそのまま使える、という点、そしてブランド力が決め手だったようです。

結局、オースティンオリジナル配車アプリは低価格と安全をうたいながらも、支持は復活していません。

 

ロンドンは今後どうなるか?

 

Uber 公式HP 及び ロンドン交通局 公式HPより引用

 

ロンドン交通局が、Uberに対して営業許可の延長を行わないと決断した理由は、公共の安全とセキュリティを害する恐れがあるから、ということ。

そして、Uberの新CEOで元Expedia CEOのコスロシャヒ氏は、それらの判断には少なからずUberに関する会社文化の悪評が影響しているだろう、と述べています。

 

ロンドン交通局の判断には、「控訴が起きた場合、控訴に対して判決が下るまでは従来通りの営業が可能」という条件がついているため、しばらくの間はUberは営業を行えます。

しかし、長期的に見てロンドン交通局、ロンドン市長がどういった判断を下すかはまだわかりません。

 

Uberは先日、「2020年までにロンドンのUberXで使用する車を、全て電気自動車もしくはプラグインハイブリッドに制限する」という発表をしたばかりであり、ロンドンに残る気は満々であることが伺えます。

 

一方、ロンドンの首相であるテリーザ・メイは先日、

・ロンドン市長は、ひと筆書き一つ(書類へのサイン)で、ロンドン市民4万人の仕事をリスクに晒し、Uberユーザー350万人の生活に被害を与えようとしている

・私が見たいのは、公平な競争環境であり、全面的な禁止をするのは不公平である

といったような、Uberの継続営業を推進しているとも取れる発言を残しています。

 

イギリスは先日、2040年までに国内でのガソリン使用車の販売が禁止されることを発表しており、Uberはその政策に対して有効的です。

関連記事:石油自動車はもう古い?未来の世界は電気自動車が当たり前

 

イギリス政府としても、今後も世界中で影響力を持ち続けそうなアプリ会社が政策に有効的なのは願ったり叶ったり。

 

Uberの新CEO コスロシャヒ氏は、ロンドンに対してUberがロンドンでまだ完璧ではないことを謝罪しており、10月3日火曜日に、ロンドンを訪れる予定です。

テリーザ・メイ首相の発言の影響もあってか、ロンドン市長のカーン氏も、「コスロシャヒ氏の謝罪は歓迎であるし、Uberがロンドンで面している問題について、彼が認識していることは喜ばしい。」と述べています。

その上で、「ロンドン交通局には、コスロシャヒ氏の訪問に合わせて、面会の準備をするように伝えた。」と発言しました。

 

一般市民からのUberに対する支持は厚く、すでにオンラインで81万7,000人もの人々がロンドン交通局の決定の撤回を求めて署名しています。

最終的にUberの営業許可を出すか否かは、ロンドン市長の判断に任されますが、実務的に交渉をするのは、新CEOコスロシャヒ氏と、ロンドン交通局のようです。

 

一体どうなるのか、火曜日以降の結論が待たれます。

 

2018/5/30 更新


2017年の10月3日と1月15日に、Uber CEOのコスロシャヒ氏とTransport for London (TfL)は会合を持ったことが発表されました。

 

しかし、それらに関する詳細は、TfL、Uberの両方から明かされませんでした。

ただ、TfLは2018年の2月15日に、「プライベートハイヤーを安全で、心配なく、かつ便利であり続けることを保証するために」というニュースをリリースしました。

その内容は、近年のテクノロジーの影響は大きく、プライベートハイヤーやライドシェアリングサービスの変化に合わせて、規程を変えるというものでした。

具体的には、プライベートハイヤーやライドシェアリングサービスの運営者に対する追加の要望として、

  • 乗客とドライバーの双方の安全に関して、優先度を高く設定すること
  • 犯罪行為の抑止のための明確なアクションプランと方針の報告、名指しされた上級経営者層によって安全性、報告、個人情報の保護に関する説明責任を果たすこと
  • 乗客が乗り込む前に、誰とライドシェアするのかを確認でき、選択できるメカニズムを開発すること
  • 全てのプライベートハイヤー車に対して適切な保険をかけること

などが含まれます。

 

テクノロジーの影響はプライベートハイヤードライバーの人数にも直接的に現れており、ロイターによると、2013,14年の時点では65,000人程度だったロンドン内のドライバー数は、116,000人にまで増えており、そのうち40,000人はUberのドライバーとのことです。

 

真相はわかりませんが、これから追い出すサービスに対して、追加でルールを設定するのも不自然です。

そして、Uberを追い出して、他のアプリはオッケーというのもおかしな話に聞こえます。

となると、現在12万人弱のロンドン市民を支えるプライベートハイヤー、ライドシェアリングアプリは、規制の強化に対応できるのであれば操業可能として認められる可能性が高いようにも感じられます。

 

そのためには、労働条件の改善から、ドライバーの事前確認機能の追加、個人情報保護の強化(最近施工されたGDPRも含め)、保険の付与、多くのことを同時に対処することが求められます。

そして、それらの対応を網羅的に行う必要性もあります。

 

果たしてUberはロンドンという巨大市場と、厳しい規制への対応のどちらをとるのか。

 

2018/6/27 更新


Transport for London (TfL)は、ロンドンのUberに対し15ヶ月間の短期間の営業免許を認めました。

 

昨年の9月に営業免許が切れた際に、Uberは5年間の免許更新を申請していました。

ウエストミンスター下級裁判所は、訴訟費用として £425,000 (約6,200万円)の支払いを要求したものの、

現在のUberは「適切」であるという判断を下しました。

 

営業免許が認められている15ヶ月の間も、TfLの要求する事項に従い続けているかどうかは厳しく監視されるということです。

 

例えばドライバーの労働条件のモニタリングが含まれ、

  • プライベートハイヤー免許を取得したドライバーは、Uberのアプリ以外では顧客を得られない
  • 10時間働いたドライバーは切れ目なく6時間以上休憩を取らなければならない

などが含まれます。

他にもUberが難色を示していた問題としては、ドライバーの英語能力などがありましたが、

この点についても、UberはTfLの要求を受けいれ、ロンドンのUberドライバーは英語のテストを受ける必要が出てきそうです。

 

これまで、数々の街でUberはローカルルールなど関係ないかのように操業しつづけ、大きな影響を与え続けてきました。

しかし今回、Uberはロンドンという巨大市場を逃すわけにいかず、TfLの課す厳しいルールを遵守することになりました。

 

この結果、これからUberに対しては、ロンドン同様に色々なローカルルールの遵守が求められるようになることが予想されます。

そういった、国や街によってローカライズ・複雑化された規制に対して、Uberはうまく適応できていくかどうか。

Uberが今後も世界を席巻できるかどうかはその点にかかっています。

 

 

 

What happened in the city that banned Uber

‘It’s damaging lives’: Theresa May hits out at ‘disproportionate’ Uber London ban

Uber CEO Dara Khosrowshahi meets London’s transport commissioner to renew company’s licence in London

TfL to ensure private hire remains safe, secure and convenient

Uber granted short-term licence to operate in London

 



地球の歩き方 ロンドン 2017~2018


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