【温暖化には要適応?】平均海水面は毎年上昇し、温室効果ガスの量は毎年増えている
毎年7月から8月にかけて、世界の気候に関する年次報告書「気候の状態(State of the Climate)」が、米海洋大気局(NOAA)と米気象学会(American Meteorological Society)によって発表されます。
2015年から2017年のレポート(調査対象年は2014年から2016年)によると、気温や海面の高さ、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出量などが近代史上最高値を毎年更新しているようです。
近年少しずつ広がっている、省エネ活動や温室効果ガスの削減活動にもかかわらず、主要な温室効果ガスである、二酸化炭素(CO2)、メタン、亜酸化窒素の濃度は年々上昇しているとのこと。
また、気温も概ね全世界で、上昇し続けているようです。
しかし報告書によると、2015年から2016年の初頭にかけては、過去最強とされたエルニーニョ(El Nino)現象も大きく影響しており、地球温暖化だけが原因ではないとのことです。

世界の海面は、氷河や極冠の融解によって上昇するといわれています。
平均海水面は1993年平均から比べて、
2014年時点で +6.7センチ
2015年時点で +7.0センチ
2016年時点で +8.2センチ
となっており、2016年の観測値は大きく数字が伸びています。
CO2を吸収してくれる海の温度も上昇しており、その影響は深海の水にまで及びつつあると言われています。
米海洋大気局(NOAA)太平洋海洋環境研究所(Pacific Marine Environmental Laboratory)の海洋学者、グレッグ・ジョンソン(Greg Johnson)氏は「温室効果ガスを現在の水準に凍結できたとしても、海の温度上昇が実際には、数百年~数千年にわたり続くことになるだろう」と指摘しながら、「温暖化の傾向は、貨物列車のようなもの。動かすには大きな後押しが必要だが、いったん動き出すと、途中で押すことを止めても長い間動き続ける。」と説明した。
地球温暖化とそれによる影響がすぐには止まらないとなると、変わっていく環境への適応が必須となります。
今後の我々、世界の人々の生活にはどんな変化が現れるのでしょうか。
参考:
2016年の地球、気温・CO2量・海面高が過去最高に 年次報告書
Global Climate Report – July 2017